ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
ここの会社のカフェコーナーには自販機の他に無料でコーヒーサーバーとエスプレッソマシンが置いてある。
社員の福利厚生の一環だから、私みたいな派遣社員が利用するのは本当は間違ってると思うんだけど誰でも自由に飲むことができた。
「日向ちゃん何飲みたい?」
「……じゃあカプチーノを」
そう言って無料のカプセルを手に取ってエスプレッソマシーンにセットした。
八木原くんは「俺が奢るって言ったのに~」とちょっと不満そう。
だけど自販機よりもこっちのが美味しいんだもん。
「じゃあ八木原くんのも淹れてあげるよ。どれにする?」
「えー、じゃあヒナちゃんとおんなじのー!」
私が笑顔を向けたせいか八木原くんは嬉しそうにふざけて呼び方を変えてきた。
だけどそれは高校のときの私のあだ名そのものだったからドキッとしてしまった。
ヒナ、最近そう呼んだのはアイツだけで。
動揺を悟られないようにエスプレッソを2杯分淹れて近くに置いてあるテーブルへと運んだ。
社員の福利厚生の一環だから、私みたいな派遣社員が利用するのは本当は間違ってると思うんだけど誰でも自由に飲むことができた。
「日向ちゃん何飲みたい?」
「……じゃあカプチーノを」
そう言って無料のカプセルを手に取ってエスプレッソマシーンにセットした。
八木原くんは「俺が奢るって言ったのに~」とちょっと不満そう。
だけど自販機よりもこっちのが美味しいんだもん。
「じゃあ八木原くんのも淹れてあげるよ。どれにする?」
「えー、じゃあヒナちゃんとおんなじのー!」
私が笑顔を向けたせいか八木原くんは嬉しそうにふざけて呼び方を変えてきた。
だけどそれは高校のときの私のあだ名そのものだったからドキッとしてしまった。
ヒナ、最近そう呼んだのはアイツだけで。
動揺を悟られないようにエスプレッソを2杯分淹れて近くに置いてあるテーブルへと運んだ。