たった1ヶ月の恋
こんなことしてる場合じゃないってのに、あたしは何やってんだ。
「あ、ここ座る?」
ここに座れと言わんばかりに、膝の上をポンポン叩いているハチ。
「は、冗談はやめなさい。」
座るわけないでしょ。
そんなことするくらいなら、我慢して床に座るから。
高校生にもなって、こんなことで争うなんて…
アホらし。
「やーめた。いいよハチ、そこに座ってていいから話を聞いて」
そう言った途端に、ニコニコしていたハチの顔が、一瞬だけ歪んだ。
やっぱり…
それでも、すぐにまた笑顔に戻った。
「何だよ、かしこまってさー」
「ハチ、真面目に聞いて」
真面目に聞いてもらわなければ困る。誤魔化されてしまうかもしれない。
「……何だよ」
パッと顔を上げれば、真剣なハチの顔が目に入った。