恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 全てを捨てる。

 それはお金とか家族とか友人とかっていう意味じゃなかった。

 見栄とか、夢とか、憧れとか。

 今までの関係とか、歴史とか、絆とか。

 私も梨香も、きっと今までそれを捨てるのが怖くて

 モラトリアムな恋愛に走っていた。

「それで幸せになれるかな?」

「わかんない。幸せじゃなかったら、また一緒に相手を探そうよ」

「この店で?」

「そうね、この店で」

 再び笑い合うと、勇気が湧いてきた。

 親友の梨香と一緒なら、もし上手くいかなくても大丈夫だって思えた。

 ありがとう。

 頑張ろうね。

「じゃあ、ヘタレなモラトリアム男達に」

「乾杯!」




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