恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~
12月になった。
冬の風を微塵も感じさせないオフィスで、
私は今日も伝票と戦う。
「もー! 絶対今日中なんかに終わらない!」
なんて課長を目の前にすると言葉に出すことはできず、
心の中で叫びながらバサバサと伝票を捌き続ける。
ふと大輔に目をやると、彼は彼で何かの書類を顔色一つ変えずに捌いていた。
課全体が慌しい毎月の一日。
午後の訪れを知らせるチャイムと共に、
束の間の休息が許される。
そこに立ち上がった課長が、例のように声を上げた。
「みんな、ちょっと聞いてちょうだい」