恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 大輔は凛々しい顔のまましばらくは何も言わずに立っていた。

 ふと目が合うけれど、表情一つ変えない。

「送別会は月次処理が終わってからってことでいいわよね」

「はい」

 と周りは応えていたが、私は何も言えなかった。

 大輔は月並みの簡単な挨拶をして、そのまま昼休みへ。

 私はお腹が空いていたことなんかも全て忘れて、

 ただデスクにうつ伏せて放心してしまった。

 大輔が、異動。

 もう今みたいに毎日会うことはなくなってしまう。

 せっかく自分の気持ちに気付いたのに、

 素直になろうと誓った矢先なのに。

 私、どうしたらいいんだろう……。

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