執事と共に賭け事を。
「それにしても、御大がこんなに可愛らしい子を連れてくるなんてね」

「貴方こそ、お忙しいんじゃないんですか」

「放蕩息子だから、その点は大丈夫さ。君のような女の子を楽しませることが出来ないなら、僕は仕事をやめるべきさ」

「あら、とてもそんな風には……」

「一人を楽しませる暇があったら、100人を楽しませろってのが、親父の口癖だけどね」


と、苦笑を見せながら、ウィンクした。

恵理夜もその瞳に引き出されるように苦笑した。


「全く、家に縛られるなんてろくなもんじゃないよ……おっと、これは君に当てはまるかな」


いたずらっぽい瞳に、恵理夜も思わず頷いてしまった。
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