恋のはじめ
「父は何も悪くないんです。ただ、乱闘に巻き込まれただけなんです・・・・だから、この手で復讐をしたいんです!!」
語尾に力を込めて言う。
何も言わない土方に、まだ自分の思いを伝えようと、余計熱くなる。
「背は低くても、剣術は出来ます!!」
腰にある小刀に触れ、そう言った。
咲希の目線には土方が居たのだが、隣で聞いていた近藤が「そうだったのか・・・」と小さく頷いた。
「よし、君の新選組への入隊を許可しょう」
あっさりと簡単に決めてしまう近藤に、冷静沈着な土方はさっきから驚きの顔一つせず、右手を身を乗り出す近藤の前にやり、動きを止めた。