恋のはじめ
「・・・・・・っ」
予想外の言葉に何も答えられず、警戒しながら少し腰を低くして近藤を睨む。
「はっはっは。今日からしっかり働いてもらうぞー」
大きな口を開け、天を見上げて笑う近藤。
・・・・なぜだ?
あいつは何を考えている?
咲希は不振を抱き斎藤の姿を目で確保するため、辺りを見回した。
だが、どこにも見当たらない。
と、その時。
「おはようござます」
大きな声ではないのに、ものすごく近くから聞こえるその声。