恋のはじめ




「わーーーーーお前!声がでかい!」





「あんたの方がでかい気がするのだが」





「うるさい!何を企んでいる!!」







今にも腰の刀を抜きそうな咲希の殺気に全く動じない斎藤。







ただ、一言こう言った。






「アンタに復讐は出来ない。そう思っただけだ」





冷静にそう吐き、それから咲希が言葉を挟む前に続けた。






「それから……俺は女の涙には弱いそうだ」







再び頭の上に斎藤の手が乗る。







「なっ」







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