恋のはじめ



「えっと私・・・」




言い訳するにも出来ない咲希は口をこもらせたが、室はお構いなしだった。




「早くっ時間なくなる!!」





言って咲希の背中を押し、強引に風呂場へと連れ出した。




「ちょっ待って下さい!!私・・・」





言っても聞く耳を持たない室には無駄な声。





抵抗しても、室の行動は変わらなかった。





前方に風呂場が見える。





咲希はパニック状態で顔を強張らせた、その時だった。





「おーい」





後ろから生ぬるい声が聞こえた。




明らかに誰かを呼んでいるが、名前がないためそこに居たほとんどが振り返った。





もちろん、咲希も。





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