ワケがありまして、幕末にございます。







「愁くんも黒、ですけどね〜。

よく似合ってますよ」


「本当ですか?
ありがとうございますっ」


「土方さんのですよね」


「そうですけど…そんな直ぐわかるもんですか?」




黒い着流しは他の人も持っているはず。


なんで分かったんだろう?




「分かりますよ〜。
だってソレ、土方さんずーっと愛用してたヤツなんですから〜」




…ん?

なんだって?




「沖田さん、もう1回…」


「?
土方さんの愛用してたヤツなんですよ?」




誰かにあげるなんて。
飽きちゃったのかな〜?

と首を傾げる姿も様になる…って違う違う!!



ずっと愛用してた!?

コレを!?


小さくなったんじゃなかったの!?




…だから貰ったときちょっと臭かったのか…。


いや嘘ですけど(笑)




そこまで大事にしてたヤツだなんて。

ちょっと嬉しいとか思ったのはアタシだけの秘密。







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