甘く、甘い、二人の時間
俯く私の頭を、康介の大きな手のひらがそっと撫でてくれた。
「菫、ごめん。泣かないで?」
「……」
そんな事言われても、優しい口調と優しい手のひらが余計に涙を誘う。
「――俺さ、昨日菫達の話聞こえて、てっきり彼氏と上手くいってないんだと思ったんだ。そうしたら今日は駅前で立ち尽くして涙流してるし。
そうなると、諦められなかった菫への気持ちがどんどん出てきて。俺は、今度こそ菫を幸せにしたいなんて思った。
いや、今も思ってる。菫には笑ってて欲しいんだ。」
「…康介。」
「でも上手くいってない訳じゃないんだな?」
「……うん。」
私の答を聞いて、康介はため息をついた。