甘く、甘い、二人の時間
康介は車内の雰囲気が気まずくならない為か、大学時代の話を沢山ふってくれた。
同じサークルだった先輩が結婚したとか、当たり障りの無い事ばかり。
途中渋滞にはまったけど、楽しい時間だった。
こんな風に康介と昔話をするなんて。
あの頃の私には想像出来ないよね?
一生、康介を忘れられないと思っていたから。
「あ、ここでいいよ。」
そう言ってアパートの近くに車を停めて貰う。
「本当にありがとう。また、飲みに行くね。」
シートベルトを外しながらそう告げると、康介は優しく微笑む。
「期待しないで待ってるよ。」
康介を見送ってアパートに向かう。
向かうといっても、結局ほとんど目の前で降ろして貰ったけど。
バッグから鍵を取りだし、ふと見ると、アパートのドアの前、暗がりの中に人影があった。