甘く、甘い、二人の時間
「…康介。」
菫に康介と呼ばれた彼は、間違いなく元彼だろう。
背が高く、程よく日焼けした様な肌に、甘いマスク。
ぱっと見た限りでもいい男だと思う。
ばつが悪そうに俯く菫を見て、俺の方に視線を向けた。
「こんばんは。昨日は菫が送って貰ったそうで、ありがとうございます。」
だから、わざとらしい笑顔で応対した。
「あ…いえ。気にしないで下さい。」
だけど彼は一瞬表情を固くしただけで、すぐに営業スマイルでかえしてきた。
それから菫の方に向き直る。
「菫、彼が拓海さん?」
「あ、うん。」
「そっか。」
何気ない会話を交わした後
「注文はお決まりですか?すぐに用意しますよ。」
等と店員の顔で話しかけてきた。