甘く、甘い、二人の時間
「何で泣いて…」
涙を流されたら、俺が一方的に悪いみたいだ。
「…ごめん。だけど私…たまにしか拓海に会えないから、だから、会えた時には笑顔でいたいの。拓海にも、笑顔でいて欲しい。」
俺をじっと見つめる菫の瞳からは、音もなく涙がぽろぽろと流れる。
その涙を、そっと指で拭う。
「なぁ?俺達、もっと沢山デートしよう。」
「…え?」
「昨日も言ったけど、会いたい時には会いたいと言って欲しい。たまにしか会えないから、その"たまに"を平穏に過ごそうとするんだろ?」
「……」
「菫の事なら何だって知りたい。教えて欲しい。だから、もっと沢山の時間を二人で過ごそう。」
菫を包み込むように抱き締める。
小さな体は震えていたけど、
それでも、俯いたまま、何度も頷いてくれた。