甘く、甘い、二人の時間
「菫の誕生日に、籍入れようか?」
翌日、スーパーからの帰りの車内。
運転中の拓海がそう呟いた。
「え?」
ちょっと驚いて、心臓が跳ねる。
「籍って、結婚式の時じゃないの?」
てっきり、結婚式と同時位に入れるものだと思っていた。
だって私の誕生日ってもうすぐ。
「俺もそう思ってたけど、結婚式は夏だし。でも、せっかく一緒に暮らし始めたのに夏まで待つのも…なんか勿体無い気がしてさ。」
「勿体無い?」
何が?
ちょうど赤信号で停車した時、拓海は助手席の私の方を向いて笑った。
「そう、ただ婚約中のこの時期って無駄じゃないかな?俺さ、早く菫の事”うちの嫁さんです”って皆に紹介したいんだ。」
極上の笑顔を浮かべて、とんでもない台詞を言い放つ。
もう。
そんな事言われたら、頷くしか出来ないよ。