甘く、甘い、二人の時間

自分から店を飛び出したくせに、拓海に会いたいと願う私。


制御出来ないイライラと寂しい気持ちとごちゃまぜで。



店内を流れるクリスマスソングはそんな私の不安を煽るから。


いたたまれなくて、足早にデパ地下を後にする。







週末の午後は人通りが多い。

街は、クリスマス気分も手伝って、恋人同士がやけに目立つ。


そんな街中を逃げるように足を進めて、偶然目の前に停車していたタクシーに飛び乗った。





自宅アパートに着いたのは、まだ午後4時前。


珍しい外でのデートに浮かれていた朝とは打って変わり、重苦しい空気を纏って部屋に入る。



今日は帰らない予定だったから、冷蔵庫はからっぽだ。




「……はぁ。」



自分でついたため息が、虚しさを煽る。



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