亡國の孤城 『心の色』(外伝)






『………バレン、お前は首都の視察に行くな』

『私もクライブの意見に賛成です。さあバレン、大人しく空き部屋か廊下の隅で縮こまっていなさい』

『………何でだよ…』

『―――…お前が行くと、知らない女がついて来るからだ』

『貴方、自分を分かってます?貴方は歩くフェロモンの一種なんですよ?………ナンパしなくても勝手に周りから湧いて来るんですから…』












「………………知りませんでしたよ―…っと……」

















『クライブ、ちょっと笑ってみろ』

『断る』

『……バレン、それは無理難題にも程があります。………きっと催眠術をかけてもこの人は笑いませんよ。誰が何と言おうと、金をつぎ込んでも、世界が滅亡しようとも、彼の恥ずかしい話の弱みを握っていたとしても、です』

『………じゃあ単純にくすぐれば笑うんじゃないか?』

『……ああ、それは単純に出来そうですね。………単純過ぎてつまらない方ですね、クライブ』

『………』
















「………………ハハッ………馬鹿みてぇ…」






















『―――…お前には恐れ入るよ………明日クーデターを起こすなんて……なんか今更だが……考えられねぇや…。………死ぬかもしれねぇぜ?』

『………ふん………………臆したか…?』

『失礼な。………死ぬなら、どんな死に方しようかな―、って悩んでるんだ。………一生に一度だけの体験だからな…』

『…………貴様……変な奴だな…』

『なんか一番お前に言われたくないな。………………そうだな…………どうせなら………最後まで……………………………』





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