亡國の孤城 『心の色』(外伝)
見詰める先には、黒い椅子。
無機質な物体しか無い視界。
「…………皆死んだ。…………………死んでも尚………お前は……その土の上に根を張って………でかく…でかくなって………」
バレンは微笑を浮かべた。
視界の先には、いつの間にか………一つの人影。
背を向けた椅子に寄り掛かり、こちらを見詰める人影が、一つだけ。
「……………………………お天道様には届かない。………お前の腕は…………………………………お前は……………馬鹿な大樹だよ…………。…………………………………………………クライブ……」
微笑んだ口元から漏れ出た白い煙の彼方に、大樹が見えた。
寡黙で、愛想が無くて………残忍で、冷酷で、暗くて、狂っていて………。
………………自分が付き従っていた、頼りの大樹が、そこにいる。
お前の考えなどお見通しだと言わんばかりに、俺の前にいる。
黙って俺を、待っていた。
………………こんな時に変だが……何だか少し、嬉しいよ。
こうすればあんたは、向かい合ってくれるのか。
こうやって刃を持って会いに来れば、会ってくれるのかい。
なぁ、クライブ。