亡國の孤城 『心の色』(外伝)
「飽きちまったんだよ!!あんたの、望む、先に!」
燃える双剣。
華麗な回転切りで赤い竜巻の如く突っ込んで来たバレンの刃を、力任せと言っても言い程の荒々しい一太刀が弾き返した。
両者の間に、激しい火花が散ったかと思えば、それはまた繰り返される。
欠けた細かな刃が舞い散るが、それはもう、どちらの剣からこそぎ取られたものか分からない。
煽る炎の嘲笑を含んだ歌声。
鼓膜を刺激する、耳障りな金属音。
互いの心を不躾に叩き続ける、悲観や怒気に塗れた叫び。
不協和音。
不協和音が聞こえる。
「あんたの、駒にされている、自分に…!」
駒になる事を選んだ、俺に。
飽きたんだ。
もう、嫌なんだ。
だから俺は………あんたの手から飛び降りる。
どうなろうが構わない。
あんたという、いつまで立っても伸び続ける大木から、俺は自ら飛び降りる。
こんなことまでしなけりゃ、あんたは本気になってくれねぇ。
本気のあんたじゃなけりゃ、意味が無いんだ。
クライブ。
なぁ、クライブ。
俺は、何をしたかったんだろうな。