赤い下着の主

 優は玉置の顔の横に手をついた。

 思いの他大きな音が出て、玉置は体を震わせる。

「先生は何もわかってない」

 強い口調で告げると再び玉置の目が涙ぐむ。

 大事に出来るものならしているさ。

 出来ないからこんなに苦しいのに、どうして先生が泣くんだよ。

 泣きたいのはこっちなんだよ。

「先生だって、今日はどこで何してたの? デートだったんじゃないの?」

「ちがっ……あんたに関係ないじゃない」

 本当に違うなら言いかけてやめるなよ。

 関係ないとか言うなよ。

 泣きながら睨むなよ。

 俺なんかのことにムキになってんじゃねーよ。

 でも、そんな顔も可愛いよ。

 好きだよ。

 愛しいよ。

 ムカつくくらいに。

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