赤い下着の主
長い時間を同じ空間で過ごすようになれば、顔を見飽きることだってあるだろう。
長く付き合っていたから、互いを知り尽くしていたし、大体の場所には一緒に行ったし、刺激はない。
それでも、美奈実は彼が好きだった。
だけど、身体を求めることさえしなくなった彼の気持ちがわからなくなり、美奈実は彼女としての自信を完全に喪失してしまったのだ。
も何度か浮気も疑った。
だけど平日は大体美奈実より先に帰っているし、休日はほとんど出掛けない。
怪しい電話も鳴らなければ、コソコソ誰かとメールをしている様子もなかった。
浮気を疑える材料なんて、どこにもなかった。
妻でも彼女でもなくった自分は、もはや家政婦でしかない――