赤い下着の主

 音に気付いた女は、思惑通り洗濯物を干す手を止めてこちらを向いた。

 ここで優は固まった。

 どうやら向かいの女も固まっているようだった。

 化粧をしていないし、髪も結われていない。

 ワイシャツではなく、ラフな部屋着を身に纏っている。

 そこで暮らしているのが、あの美人教師玉置美奈実であることを、4ヶ月目にして初めて認識した瞬間であった。

「せ、先生……ですよね?」

 優が呼びかけると玉置はピクリと肩を震わせた。

「やっぱり……あなた、うちの学校の子よね?」

「はい……。梶原です。三年の、梶原優です」

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