赤い下着の主

 それから数秒の沈黙を埋めるようにセミの鳴き声がミンミン鳴り響いた。

 そこに向かい合う生徒と教師は、ただどうして良いものかもわからぬまま……

「今日も、暑いっすね」

「そうね。夏だもの」

「先生の部屋着、可愛いっすね」

「あんまり見ないで。これ干し終わったら、ちゃんと着替えるつもりよ」

 とりあえず生徒と教師の役割を初々しく演じたのであった。



 今となってはこの出来事さえ、二人にとっては微笑ましい思い出話である。

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