赤い下着の主

 梶原は何かを言いかけたがすぐにしゅんとして

「いや、何でもないです」

 と一人で歩き出してしまった。

「ちょっと待ってよ」

 一応知り合いのご近所さんなんだから、一緒に帰ったっていいじゃない。

「梶原くんってば」

 腕を引いて引き止めるが、目を合わせようとしない。

 いつもならガンガン責めてきていたのに。

「どうしたの? 何か怒ってるの?」

「……怒ってませんよ」

「その言い方、怒ってる。何? メガネのこと?」

「違いますって」

 じゃあ何なのよ。

 美奈実はワケがわからない。

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