赤い下着の主

 振り向いた女は、確かに玉置だった。

「梶原君」

 近所に住んでいるのだから今更驚くこともないのだが、夏休みの初めに顔を合わせて以来出くわすこともなかったから、妙に気まずい。

「こんな時間まで何やってたの?」

 時刻は9時過ぎ。

 教師が怒るのも無理はない。

「いや、ちょっと懐かしい友達に会いまして」

「だからって、もう9時よ?」

 あーあー、塾に行っていたとでも言えばよかった。

 優が軽く後悔していると、レジの順番が回ってきた。

 玉置は諦めたようにレジへと進む。

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