赤い下着の主

 レジでブランド物の長財布を取り出す玉置を眺めながら、優は落ち着かなかった。

 隣に並んでみると意外に小さい彼女の上目遣いは、凶器と言ってもいい。

 学校ではほとんど関わりがないこともあって、教師であるということを忘れさせられる。

 速くなる鼓動は、これから起こる出来事の予兆だったのかもしれない。

 会計が済むと、必然的に二人は一緒に帰り始めた。

「親御さんは、何も言わないの?」

「姉貴の夜遊びのほうが酷いから、俺には何も」

「男の子だからって、まだ高校生なんだからね」

 クールビューティはあくまで教師として説教を続ける。

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