赤い下着の主

 玉置はふと体を起こした。

 優の手には汗が滲む。

 玉置が肯定するか否定するかで、優が本当に出かけるかどうかが決まるのだ。

「素敵ね」

 微笑んだ玉置は、今何を考えているんだろうか。

 本当にわかっているのだろうか。

「じゃ、俺はこれで」

 部屋に戻ると、また気付かぬうちに鼓動が激しくなっていた。

 とりあえずクローゼットから今一番気に入っている服を一式取り出し、手早く着替える。

 急いで一階に降りて、洗面台で寝癖のままにしておいた髪を濡らし、タオルでガシガシ拭いながら一度部屋へ。

 とりあえず携帯と家の鍵だけを握り締め、飛び出すように自宅を出た。

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