赤い下着の主

「先生」

 そのままドアに押し付けるような形で玉置を捕らえると、ヒールのサンダルを履いている彼女の顔は、期待していたよりも近くにあった。

「また、キスするの?」

「して欲しいですか?」

「して欲しいなんて言えるわけないでしょ?」

 私、教師なんだから。

 というテレパシー。

「じゃあ、してもいいですか?」

「いいとも言えるわけないじゃない」

 私、教師なんだから。

「でも、先生。この状況で抵抗しないっすよね」

 あなた、教師なのに。

 責めると玉置の顔が照れに歪む。

 優はこの顔を見たかった。

< 44 / 350 >

この作品をシェア

pagetop