赤い下着の主

 禁忌を犯すことはどんなに物々しい気分なんだろうかと思考を巡らせていたが、いざやってみるとあっけない。

 そこにあったのは、ありふれた男女の営みと、それに付随する女の喜びだけ。

 教師とか生徒とかモラルとか常識とか、そんなものはたった二人だけの間には何の意味も持たなかった。

「ねえ、梶原君」

「何ですか? 先生」

 ここでは今更敬語なんて、使わなくていいし。

「とりあえず、服着ない?」

「寒い?」

「ちょっとね」

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