赤い下着の主
「三年教師をやると、一般企業では働けない」
なんて言われるが、それはこの仕事が極めて特異であることに由来する。
一般企業の常識は教師の間で通用しないし、教師の常識は一般企業で通用しない。
一般企業を退社して教職に就いた美奈実は、未だに教師側の常識に馴染めずにいる。
一方で教職一筋8年目の高澤は、教師としては優秀であるようだが、既に一般企業では通用しないだろう。
「あ、そういえば玉置先生。今夜暇ですか?」
高澤は度々こうして美奈実の予定を探ってくる。
平たく言うと、口説いているのだ。
「ごめんなさい。人と約束があるんです」