赤い下着の主

 企業上がりの美奈実には、それなりに人脈もあるし出会おうと思えば外部と接触する機会は設けられる。

 しかし、しばらく恋愛はしないと決めている今は、それが会社員だろうが教師だろうが、男性とは距離を置きたいのである。

 でも、だが、しかし。

 予期しないことというのは、往々にして転がってくるもの。

 学校でほとんど関わりのない男子生徒との深い関わりは、万が一にも想定していなかった。

 美奈実は内心恐れている。

 梶原の口から誰かに伝わって、それが蜘蛛の子を散らすように広がることを。

 そしてぼんやり思う。

 私はいつまでここにいられるのだろうかと。

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