憧れの彼と恋する方法
「だけど…」
竜司君が手に持っていたグラスをテーブルに置いた。
「誰かを本気で好きになったら、俺は多分抑えられなくなるかも…」
誰かを本気で好きになったら…。
竜司君だって1人の男だもん。
誰かを好きになる事だってある。
テレビで見るだけの遠い存在だった頃は、こんな事考えもしなかった。
こうやって少しずつ距離が近づくにつれて、竜司君が恋をしてしまう事が本当は凄く怖いんだ。
私なんかじゃ相手にされないって分かってても、竜司君の気持ちが誰か1人に向けらたとしたら…。
ねぇ竜司君。
私はもう既に、この気持ちを抑えられなくなってるんだよ。
だからせめて、この世界が終わってしまうまでは、あなたを側で見させて下さい。
ただ側で、仕事仲間としてでいいから…。