憧れの彼と恋する方法
「ねー、舞美…」
「もう!由希ってば朝弱いんだから!
これからは早朝が続くんだから、目覚ましもっと買っておきなよ」
「あ…うん、ごめん」
ごめん…って、何謝ってんだ私。
本当に意味が分からない。
この車って舞美の?
そんなわけないよね。
だって、バイト暮らしの舞美がこんな高そうな車買えるわけないし。
私が戸惑っている間に、舞美が車を発進させた。
「で、何処行くの?」
とりあえず、もっともな質問をしてみた。
「ちょっとちょっと由希さん?何言ってんのよ!
まだ寝ぼけてんの?」
いや、そうじゃなくて。
寝ぼけてるっていうか、むしろ朝から意味の分からない事だらけで、すっかり目は覚めてますけど。
「この前本読みして、今日から青山スタジオでいよいよ撮影スタートでしょ」
え…?さ、撮影?