Hamal -夜明け前のゆくえ-


「アイツと仲良くしてやってな」

「……、」


短く切りそろえた髪を金色に染めている店員は目が合うと、白い歯を見せる。


「初めてちゃんと顔見てくれたなー。こっちはどんな奴かって、ずっと気になってたっつーのに」


ふははと快活に笑う店員から、突然こんなことになった意味を拾えない。


「アイツほんと荒れてたからさ。まあ今も荒れてるほうだけど、お前を連れてきたときちょっとホッとした」

「そう……なんだ」

「お前が初めてだし唯一だよ。まあクロって奴も来たことあるけど、ありゃ勝手について来ただけだしな」

「……お兄さんは昔から祠稀を知ってるんだね」

「んー。そうでもねぇな。アイツがここに寄りつくようになったのも、知らず知らずのうちに食ってたもんがこの店のもんだって気付いてからだし。俺が昔っからよく知ってんのは、この街の光だけだ」

「ヒカリ?」


わからない、という気持ちを顔に出しても店員は目を細めるだけだった。



「お前も色々あんだろーけど、悪い奴ばっかじゃねえからさ。無茶しねーように見ててやってな、アイツのこと」


うん、と言葉なく頷く。


僕は祠稀を任されたことも嬉しかったが、祠稀を心配してくれる人がいることも嬉しかった。


「でも坊主。ひとつだけ減点だ」


立てた人差し指と一緒に、店員はずいっと身を乗り出してくる。

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