Hamal -夜明け前のゆくえ-
*
夕飯を食べ終わったあと、うっかり眠ってしまったらしい。
寝不足なのかな。祠稀と会うのは必然的に夜だけど、ずっと起きてるわけでもないのに。
23時58分。居間は静かだからふたりは就寝したのだろう。
今日はこのまま朝まで寝る日にするか、今日も祠稀のところへ行くか……どっちにしても風呂には入りたい。
梅雨ではあるが気温も湿度も高く、汗でべたつく肌が気持ち悪い。
欠伸をこぼしたとき、暗がりに青色の光が点滅し始めた。祠稀から電話だ。
「はい。もしもしー?」
まだかすむ目をこすりながら電話に出ると、車の走行音やざわめきが聞こえた。
『あー……お前さ、家に救急箱とかある?』
「え? さあ……知らないけどあると思う」
『消毒液とか絆創膏とか、なんか適当に持ってきてほしーんだけど……あと、タオル』
「いいけど、なんで? なんかあったの?」
『別に……怪我しただけ。公園あんだろ、お前がベンチでぼけっとしてた公園。……そこいるから』
……なんか、苦しそうじゃない?
大丈夫なのか、どうして怪我をしたのか。心配になった僕はすぐに行くと伝えて電話を切った。