空しか、見えない
 窓ガラスを叩き付ける雨の音、風の音も響き出した。

「こういうの、私は意外と好きよ。雨の日のキャンプみたい。みんなで雨宿り」

 フーちゃんはそう言って、のぞむの隣で肩を並べた。

「さっきの演奏、聞き入っちゃったな」

 佐千子は、隣り合った純一に囁く。

「そう? サセに褒められるのは、なんだかうれしいけど」

「昔なら、サセ新聞に真っ先に書いているところ。情報部員ことりっぴが、羽を広げて“サイコー”って」

 純一が、ことりっぴが飛び上がる真似をしてくれた。
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