空しか、見えない
「一番、危ないのは、のぞむだろう? お前、まじで戻ってこられんの?」

 環がチー鱈をつまみながら、訊ねる。

「危ないってなんだよ。一番難しいとか言うなら、わかるけどさ」

 また、ハブとマングースの睨み合いが始まりそうになる。今度は、仲立ちできそうな純一もマリカもいないし、この部屋には、ごじべえのグローブもない。

「そんな言い回しなんか、どうだっていいだろうが。大体お前、どうすんの? また向こうに戻ったら、その中国人の女と一緒に暮らし続けるのかよ」
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