空しか、見えない
「じゃあ、会うのやめる? だいたい、あんたは来られないかもしれないしね。あんたのせいで、大遅刻しちゃったんだし」

 千夏はスキニーシーンズの足であぐらを組み、のぞむに嫌味を言う。

「何よ、サセ。急に水を差したりして」

 フーちゃんはそう言って、空のグラスの底に少し残った白ワインをゆっくり回して眺めた。

「ねえ、みんなに反対されるかもしれないけど、私、提案があるの」と、佐千子は切り出した。
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