空しか、見えない
「そうか」

 のぞむは椅子の背に体を預けた。あっけなく声を返してきた。

「だったらいいんだ。サチが精一杯やってるなら、うれしいよ。余計なお世話だって言われたっていいんだ。サチがいい記者になってくれなきゃさ、俺、わざわざアメリカ行った意味ないから。だからどうしても帰る前に、一度会いたくてさ」

「のぞむ、何が言いたいのか、全然わからない」

「わかんないかな。あ、そう」

 今度はのぞむの方が短いため息をついた。
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