空しか、見えない
「大学に入るなり、サチはすごかったじゃん。絶対に記者になるんだって。それが夢なんだって。それに比べてお前は遊んでばっかで、なんなんだ、将来の夢もないのかって会うたび叱られてる気がしてたよ」

「そんなこと気にしてたなんて、まるで、知らなかった」

 思わず口ごもる。

 確かに、大学に合格するなり、佐千子はすぐに就職活動に没入した。開放感で一杯だったのぞむとは対照的だった。
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