空しか、見えない
研究サークルにも入り、新聞各社が行うセミナーにも顔を出した。やればやるだけ、どうしても合格しなければという気になった。佐千子はそこにプライドをかけてしまい、のぞむが誘ってくるデートに気乗りしなかった時期もある。やれいちご狩りだ、底引き網体験だと、よりによって子どもみたいなことばかり誘ってきたから余計だった。あの頃は、なぜか互いの希望も不安さえも分かち合えなかった。のぞむの気持ちにも気付けなかった。そのくらい余裕がなくて、本当に、まるで鈍かった。