異端の足掻きは月のみぞ知る
ナイスキャッチと言いたくなるほど、造作もなく手にとった物を主さんは見る。
形からして短刀と分かったらしく、鞘を抜こうと両端を持つが。
「抜けないな」
持て余すようにひらひらと小狐丸を揺らした。
「他に持ち物は……って、その格好じゃないか」
ラフすぎる格好に隠し武器はないとすぐさま判断した観察力は見事と言うべきか。
「バカは風邪引かないと言うが、凍死するぞ、お前」
下らなさそうに主さんは言う。死んでもいいよ、と言われているみたいだ。
「いやぁ、ほんと寒いです。僕もこんな格好で外出したくなかったんですが、気づいたら何故かここにいて。夢遊病のたちはないんですが、はあ、困ってますと言ったら助けてくれますか?」