異端の足掻きは月のみぞ知る
「話が戻るぞ。ただの人間であるお前では、こんな殺し方はできないだろう」
「できるんですよ。それがあれば」
動けないので指はさせず、目線だけで主さんが持つ小狐丸を見た。
腑に落ちないような顔をしたが、小狐丸を見たあと、何かを思ったらしく、口端を緩めた。
「少し試すか。レイン、離してやれ」
「いいのですか」
「逃げようとするなら殺していい」
そんなことを言われたら逃げることができないので、剣が離れても僕は動けぬままだった。足が疲れてきたぞ。
「ほら」
「おっと」
寸でで僕が受け取ったのは投げられた小狐丸だった。落とすという醜態を晒さずに済んだので、ほっとしている。
「試すついでに遊んでやる」