異端の足掻きは月のみぞ知る
両者の戦いを見る第三者、レインにとっても鼓動が微かに早まる変化に思えた。
端から見る分、分かりやすいだろう。
徐々に、スピードがあがっている。
助走をつけているように、徐々に、徐々に、徐々に――
「おっと」
初めて草から攻め込んできた。声を出せるほど余裕で防げたが、声を出してしまうほど意外だった。
――なんなんだ、いったい。
目に見て分かる変化に戸惑いつつあるも、冷静に観察できるあたりジンも並みではない。
「主……!」
「だいじょーぶだって」
部下のレインが口を入れたのは心配してではなく、何かがおかしいと感じ取ってのこととジンとて分かっている。
だからの大丈夫。
今のところ、草は取るに足らない相手から殺しにくい相手に昇格しただけなのだから。