異端の足掻きは月のみぞ知る
始動(覚醒)した小狐丸は見事、担い手に応えてみせた。
魔力を持(喰)った武具は魔具となり、凶器を超えた兵器となる。
“殺傷に長けた兵器”の本来の姿はこれであろう、持つだけで戦える。
今までは一端とも出しきれていなかった奇跡だった。
殺意だけで魔力供給をできない草に成り代わり、ジンが知らずにやってしまった失策である。
今現在、ジンから見た相手、またはレインから見た草は、殺しにくい相手から完璧な“敵”と化けていた。
踏み込む回数が増え、ジンが初めて二の足を踏んだ。後方に。些細ながら確実な攻めにジンは後退したのだった。
――魔術は無理だよなぁ。
接近戦が不利というわけではないが、めんどくさくなったジンはそう考える。