異端の足掻きは月のみぞ知る
いくら技術があっても、体力がなければダウンをする。
長距離マラソンを完走どころか、途中で脱落してしまうほど草は無理して動いていたらしい。
頑張りやさんめと言えばいいのか、バカだろと蔑めばいいのか、ジンにしてみれば後者寄りだった。
結局、勝敗はやはりジンにあがった。
誰も傷つかないなんとも味気ない結末だが、興ざめもいいところでジンには草をどうこうする気はなかった。
「レイン、つれていくぞ」
「はい」
言われればすぐに行動するレイン。いざと草に駆け寄ろうとした時――雷が落ちた。
レインの前、雷にしては細く音も小さい閃光だが、天から落ちた電気はそう言うしかない。
「主……!」
言われる前に悟ったか、ジンがその場から大きく後退した。予想正しく、移動する前の場所――よりは横に雷が落ちた。