異端の足掻きは月のみぞ知る
(二)
「名を神影千聖。魔法使いだ」
先生のかっこよさは惚れる。
いや、こうも魔法使いだなんてメルヘンジャンルを恥ずかしげもなくすかっと――それこそミントガム並みの爽快的に言うとは。
しかもか、その名と肩書きに誇りを持っているかのように凛々しく言うだけあって、先生はどんなものよりも美しく見えた。
肩を貸されてすっごい密着している今、僕はいかがわしい妄想をしてしまうのは置いといて、先生の存在の大きさに前の二人は呆気に取られているようだった。
「せん、せい……」
「遅くなってすまない。なにぶん、空想元素に対しては習得していなくてな。あれは魔術師の分野だ。私みたいな魔法使いには相性が悪い。時音(ときね)に協力してもらって、何とか迎えに来た」