異端の足掻きは月のみぞ知る
へーきしょん、と都合よくくしゃみは出ないが、凍えるのは確かだった。
そうだな、と先生は言うものの、そうは問屋がおろさないという慣用句があるように。
「逃がすと思うか?魔術師は機関の監視下に置く」
主さんは敵意を向けていた。
「私は魔術師ではない、魔法使いだ」
「知るか。魔術に準ずるなら、どちらにせよ危険因子としてついてきてもらう」
「どうしてもか」
「どうしてもだ」
と、話しても分からないと思ったか、主さんが手を振り上げた。
下げられれば炎が産まれる。
ただ先ほどの違うのは、炎に形があったこと。
あ、犬……じゃない狼か。尻尾であろう部分のふさふさ具合からその形だと知る。