異端の足掻きは月のみぞ知る
というか、気づいた。
「透けているんですけど……」
先生の服が、となれば鼻血ものだが、体全体が透けてきた。僕まで。幽霊気分を味わうぞ、これ。
「帰るだけだ」
「はあ、そうですか」
先生が言うからには間違いはないんだろう。
二人も諦めたらしく、もう何もしてこない。
ただ、主さんの方が、ついさっき見た、指鉄砲を作り、声は出さずとも僕の額めがけて撃つ素振りをした。
「お前、いつか人間に殺されるな。俺みたく」
「……、余計なお世話だ」
その会話のあと、世界は暗転した。
黒くなり、起きたように明るくなるも――それは夜にある淡い明るさ。
「お帰りなさいませ」
気づけば僕の部屋にいて、そう言って、日本人形に迎えられていた。